村田みい

魔法の砂

「魔法の砂なんだって、これ」 塩谷が持ってきた小さな瓶の中には、砂と言ってもトゲトゲしているものが入っていた。これって、星の砂じゃあ……。あたしはすぐさま、こいつ騙されたんじゃないの? と思ったけれど、言わないことにした。ひとまず、この人の話…

イチゴショート

近所の喫茶店にて、カウンター席に座りココアを注文すると、後ろからみいちゃんに話しかけられた。「久々に、見た。何してたの、最近」「いつもと変わらず家でぼんやり研究したり、本を読んだり、だらだらしたり、かな」「へー、そうなんだ。あんまり家から…

村田みい「相子の電話」

「プルルルルル……ぴ。はいもしもし、あ、相子ー? うん。どしたー? あたしは今ね、晩ご飯の材料買った所だよ。うん。もうちょっとで着くかなー。ん? それはいいんだけど、相子なんか声が震えてるよ。どしたの? 大丈夫? うん、うん、なになに? メリーさ…

塩谷シュガー「みいっみいっ」

「みいっみいっにしてやんよ!」 ちょっと言いづらいな、と感じつつも、テレビでピタゴラスイッチDVDを見ながら、おれはふと考えてみた。ところで、みいっみいっにされるって、何をされるのだろう。……ふむ。 いろいろ考えてみると、なんだか顔がにやけてきた…

塩谷シュガー「ブラック」

おれが昼にまどろんでいたら、相ちゃんとみいちゃん、ふたりの会話がどこからとも無く聞こえてきた。 「えとえと、内緒なのですけど今日の私はいつもとちょっぴり違うのですぅ」 「へえー。何かしたの? オシャレとか?」 「えへへ。えと、その(赤面)。ご…

こたつ

寒い。寒すぎ……と、自分の部屋にこたつを設置してみた。こたつの中だとめちゃめちゃ暖かくて、居心地がとってもよくて。ついあたしは猫みたいに丸まってしまう。だってぬくぬくだよ? と訳もわからず宣言して、あたしは少しだけ自慢げだ。 うーん。こたつの…

むらた おひるね