こたつ

 寒い。寒すぎ……と、自分の部屋にこたつを設置してみた。こたつの中だとめちゃめちゃ暖かくて、居心地がとってもよくて。ついあたしは猫みたいに丸まってしまう。だってぬくぬくだよ? と訳もわからず宣言して、あたしは少しだけ自慢げだ。
 うーん。こたつの上にはみかんがいるなー……。今度相子と一緒に買いに行こうかな。いろいろ考えてみる。あ、そうだ。こういうよいものは相子と共有しないとね。うんうん。今から相子も呼んで一緒にこたつで丸くなろう。けれど、あたしはこたつから今は出たくないし……んー……そか。
 あたしはポケットから携帯電話を取り出してメールを打つ。
「相子ー。こたつだよこたつ。おいでー」
 すぐにメールの返信が届く。
「なんとっ。わーい。あっ、少しだけお待ちになっててくださいね。すぐ行きますですー」
 何となく文面から相子が笑顔になっているのが想像できて、あたしはなぜかにやにやする。相子からのメールは、表情が見える気がするから好きだ。
 しばらくして、扉をノックする音。
「開いてるよー」あたしは答える。
「失礼いたしますー」
 がちゃり。あたしは扉に視線を向けると、そこにはエプロンの上にみかんを5つくらい乗っけながら、不安定な体勢をしながらも扉を開ける相子がいて、なんだかもう、相子めっ、と頭をうりうりしたくなった。