失ったパズルのピース

 出来るだけ前向きに生きようとぼくは試みた。だから、これから自分の身に起きることは、自分でどうにか出来るものだと思ったりもした。自分の振る舞いで、きっとどうにかなるものだと思った。
 けれど、実際はそうじゃない。努力しても届かない。ぼくはどうやっても、ぼくの思う普通の人になれない。いつまでたっても理想の自分になれない。そういう風に思わざるを得ない。
 こうやって諦めているようなことを書きながら、どこかで自分は、きっと大丈夫だなんて思ったりしてるのに、心底気分が悪くなる。結局、すべては自分に回帰する。自分のことだけしか考えていない己に、気が狂いそうになる。
 ぼくもしあわせになりたい。ぼくはしあわせになれない、諦めよう。
 相反する事柄が同時に存在していて、一方が消えることはない。
 仮にそれが普通だったとしても、ぼくはもう終わってしまっているのかもしれない。ぼくはもう、何かが損なわれている。